秋田大学と弘前大学は、令和6年度に文部科学省のプロジェクト『高度医療人材養成拠点形成事業(高度な臨床・研究能力を有する医師養成促進支援)』に標記のプログラムを申請し、採択されました。(事業予定年度:令和6年度~令和11年度)
文部科学省「高度医療人材養成拠点形成事業(高度な臨床・研究能力を有する医師養成促進支援)」
- 代表大学
- 秋田大学
- 連携大学
- 弘前大学
- 事業協力大学・機関
- 東北大学、山形大学、岩手医科大学、株式会社4DIN、株式会社日立ハイテクサイエンス、新医療リアルワールドデータ研究機構株式会社(PRiME-R)
1.事業概要
事業の背景
秋田大学と弘前大学では、薬物の遺伝情報を加味したTDM投与量設計を行い、グローバルに発信、複数の薬物血中濃度測定を保険承認に繋げてきた実績があります。
今後優れた遺伝・TDM統合臨床研究の先進化には、電子カルテ内の情報を直結してデータベース化できる仕組みや、基礎と臨床の両面に精通した臨床研究医の養成が必須であります。
秋田大学と弘前大学、事業協力機関とが連携して推進する本プログラムでは、具体的に次の取組を行うことで、臨床研究の推進・発展と臨床研究医の養成を強力に進めていきます。
事業の概要
本事業『Easy-accessな次世代型プレシジョン医療臨床研究を推進する恒久的な研究医養成プログラム』では【研究】・【教育】の2本の柱を掲げます。
双方を連動して推進することで、先端的遺伝・TDMによる統合臨床研究と研究医養成の持続的拠点形成を目指します。
研究
(1)
電子カルテからのデータ抽出システムの導入
- 電子カルテからの臨床情報やデータを素早くデータベース化し、臨床研究医に提供するシステム構築します。
- ゲノム解析と薬物血中濃度測定システムを統合し、臨床研究医が容易に研究実施できる体制を整備、臨床研究数の増加を実現します。
(2)
遺伝・TDM統合研究の複数進行/
薬物血中濃度測定法の確立
薬物血中濃度測定法の確立
- 構築したデータ抽出システムを最大限活用し、複数の遺伝・TDM統合研究を同時進行させ、薬物血中濃度測定法の確立を目指します。
- 多施設研究機関での臨床情報共有により、迅速な解析とアウトカムを創出することで、遺伝・TDM-Precision薬物療法研究におけるグローバル拠点を形成します。
教育
(1)
医学科学生のSA雇用/講座配属により研究機会の創出
- 医学科学生をSAとして雇用し、学内各講座へ配属します。学部の早い段階から研究に触れる機会を積極的に創出することで、研究マインドの醸成、実験技術の早期習得を目指します。
- 学内研究者視点では、SA学生研究参画により研究マンパワーが強化され、研究活動の活性化・効率化が期待されます。
(2)
SA学生研究活動に対する積極的支援/
研究遂行力・発信力の研鑽
研究遂行力・発信力の研鑽
- 配属講座の監督・指導の下、SA学生の学会発表・論文投稿を積極的に支援・推進します。SA学生の研究遂行力・発信力を確固たるものとし、大学院進学、臨床と研究の両立など、研究医志向を有する医師を養成し続けます。
- SA活動の成果発信を発信するための機会として「リサーチドクター養成キャンプ」を毎年開催します。本企画には指導者も参加し、研究者と学生の垣根を超えたディスカッション・交流も行います。多機関の研究者・学生が参画する研究ネットワークを構築し、北東北から研究医養成のモデルケースを発信します。
2.実施体制
- 本プログラムのSA学生サポート、教育、研究活動のコーディネートを担う組織として、秋田大学に『臨床研究医養成センター』を、弘前大学に『臨床研究医養成室』を新設します。
- センターには専任の教員、スタッフを配属します。各大学の臨床研究医養成の拠点となり、プログラムを進めていきます。
※秋田大学の『臨床研究医養成センター』は医学系研究科附属センターとして、令和6年12月1日に新設となる予定です。
秋田大学・実施体制
氏名 | 職名 | 担当事業 |
---|---|---|
羽渕 友則 | 医学系研究科長・医学部長 | 【事業責任者】事業総括・プログラム推進責任者 |
中山 勝敏 | 医学科学務委員長 (呼吸器内科学講座教授) | 学部学生基礎・臨床講座配置・教育管理、カリキュラム立案と運営 |
長谷川 仁志 | 医学教育学講座教授 | 『臨床研究医養成センター』設置、運営、学生の教育企画運営、カリキュラム運営、クリニカルクラークシップ充実 |
宮腰 尚久 | 整形外科学講座教授 | 研究体制の改変、研究教育と研究企画のコーディネート |
植木 重治 | 総合診療・検査診断学講座教授 | 学生の教育企画運営、カリキュラム運営、研究医と研究企画のコーディネート |
三浦 昌朋 | 薬物動態学講座講座教授 | 遺伝・TDM研究体制構築と実施、研究医・大学院生・学生研究指導 |
大坪 徹也 | 医療情報学講座教授 | 患者情報管理、患者臨床情報データ抽出システム構築・管理 |
藤山 信弘 | 臨床研究支援センター准教授 | 患者臨床情報データ抽出システム構築、臨床研究への応用コーディネート |
(本事業にて採用予定) | 先端医学研究推進講座(本事業にて開設予定)特任教授 兼 臨床研究医養成センター(本事業にて開設予定)センター長 |
臨床研修医養成センターの運営担当,若手医師・大学院生・学部学生の研究推進コーディネート,SA・TA・RAの補助,指導 |
弘前大学・実施体制
氏名 | 職名 | 担当事業 |
---|---|---|
石橋 恭之 | 医学研究科長・医学部長 | 弘前大学における事業総括・プログラム推進責任者 |
富田 泰史 | 学務委員長(循環器腎臓内科学講座教授) 医学教育センター 臨床研究医養成室(仮称)長 |
『臨床研究医養成室』設置、運営、学生の教育企画運営、クリニカルクラークシップ充実、カリキュラム立案と運営 |
鬼島 宏 | 附属地域基盤型医療人材育成センター副センター長 医学教育学講座特任教授 |
学生の教育企画運営、カリキュラム運営、研究医と研究企画のコーディネート |
伊東 健 | 学事委員長、附属バイオメディカルリサーチセンター 分子生体防御学講座教授 |
学生の教育企画運営、カリキュラム立案と運営、大学院医学研究科との連携 |
三上 達也 | 附属健康未来イノベーションセンター 先制医療学講座教授 |
研究医・大学院生・学生研究指導(岩木健康増進プロジェクトなど) |
玉田 嘉紀 | 附属健康・医療データサイエンス研究センター 医療データ解析学講座教授 |
研究医・大学院生・学生研究指導(岩木健康増進プロジェクトなど) |
佐々木 賀広 | 医学医療情報学講座教授 | 患者情報管理、患者臨床情報データ抽出システム構築・管理 |
新岡 丈典 | 薬剤学講座教授 | 遺伝・TDM研究体制構築と実施、研究医・大学院生・学生研究指導 |
(本事業にて雇用予定) | 医学教育センター 臨床研究医養成室(仮称)副室長 医学教育学講座准教授 |
『臨床研究医養成室』運営、学生の教育企画運営、クリニカルクラークシップ充実、カリキュラム運営、研究医・大学院生・学生研究指導 |
3.トピックス
-
(1)【秋田大学・弘前大学】リサーチドクター養成キャンプの開催
本プログラムによる研究医養成事業の成果/SA学生の研究活動成果の発信や、研究者・学生の垣根を超えて研究に関するディスカッションを行う機会として、『リサーチドクター養成キャンプ』を以下日程にて開催予定です。
- 日時
- 令和7年3月1日(土)~3月2日(日)
- 会場
- ホテルサンルーラル大潟
- 参加対象
- 秋田大学、弘前大学の関係教職員、SA学生、一般学生(医学科)
秋田大学大学院医学系研究科附属臨床研究医養成センター
(令和6年12月設置予定)
〒010-8543 秋田市本道1丁目1-1
電話:018-884-6008
Mail:kenkyui@jimu.akita-u.ac.jp
電話:018-884-6008
Mail:kenkyui@jimu.akita-u.ac.jp