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県民の健康を守る 秋田大学 医療フォーラムを開催

秋田大学医学部・附属病院は11月16日、こころの健康をテーマとした“県民の健康を守る”秋田大学医療フォーラム「こころの健康で活力ある暮らし」(主催:同大医学部、医学部附属病院、本道医学振興会、共催:秋田県、県医師会、秋田魁新報社及び秋田テレビ)を市内のホテルを会場に開催した。

本フォーラムは2012年から開催され県民から好評を得ており、第14回目となる今回は、「こころの健康」を取り上げ、うつや不安への対処の仕方、正しい睡眠の方法等を広く県民に紹介し、県民のこころの健康を守ることを目的として、エッセイスト・コメンテーターの安藤和津氏を特別ゲストに迎えて開催したもの。安藤氏が出演したシンポジウムの模様については対面だけでなく、動画投稿サイトで生配信も行った。
 同大の南谷学長の開会挨拶の後、大学院医学系副研究科長の宮腰尚久教授の進行により、医学系研究科精神科学講座の三島和夫教授が「うつ、不安、不眠と健康の深〜い関係」、医学部附属病院リエゾン精神看護専門看護師の伊藤めぐみ氏が「はじめませんか?心と体をつなぐ『ここ・から』サポート」、教育文化学部地域文化学科地域社会・心理実践講座の綾部直子講師が「こころの健康を保つ生活のヒント:考え方や行動の“クセ”を見直そう」、秋田県医師会の内藤信吾常任理事が「秋田県医師会のうつ病対策・自殺予防対策の活動軌跡とこれからの課題」、秋田県健康福祉部長の高橋一也氏が「こころの健康に関する秋田県の施策について」と題し、それぞれ講演を行った。

後半のシンポジウムでは、同大の羽渕友則医学部長の進行により、安藤氏によるゲストトーク、その後に講演者5人も交えてパネルトークが行われた。
 ゲストの安藤氏は、母親の介護をきっかけに約13年もの間、介護うつの症状に悩まされた経験があり、その症状は母親が亡くなった後も続いた。料理も作れなくなり、文章もかけなくなって仕事を辞めようとも思ったそう。そんなとき心の支えになったのは、娘や孫の存在であったと振り返り、最近になってようやく元気を取り戻すことができたと、当時の辛かった思い出とそこから抜け出した経験を紹介した。最後に「胸を張って生きると息がいっぱいできることに気付いた。笑顔でいるとうつ病は寄ってきにくいのではないか。明るく生きて行きましょう」と呼びかけた。

最後に渡邊博之医学部附属病院長から「心の病は誰にでもなりうる病態だ。だからこそ心の健康に理解を深め、直ぐに専門家に相談するなど正しい処置をしてほしい。そうすることで多くの場合は元気を取り戻すことができる。本日のフォーラムで得た知見を生かし、皆で支え合う社会の実現の一歩となるよう願っている」との挨拶でフォーラムを締めくくった。

シンポジウムの様子