②遠隔医療推進開発研究センターの発足とこれからの活動

遠隔医療推進開発研究センターの発足とこれからの活動

遠隔医療センター

遠隔医療の推進は秋田県のように限界集落を多く抱えた広域医療過疎の地域においては、県民の健康を保つ重要な役割と考えられます。本センターは、遠隔医療に関わる研究を通じて、広域医療過疎地域における新しい医療の在り方を模索および実装していく使命を有しています。
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2012年に始まった入院病床を機能分化させる政府の施策によって、急性期病院と長期療養(慢性期)病院が分かれ、「治す」医療と「癒す」医療の分離が進んでいます。また患者高齢化が進む中、人口減少を見据えて病床数の減少も見込まれます。つまりこの施策により急性期病院への入院が高度医療対象者のみになる上、病床数の点で急性期治療後の療養入院も難しくなる見込みです。この影響で、在宅療養が病後の健康保全の主軸になると考えられます。

医療の高度化・複雑化とともに専門的知識が広範囲に多用されている現代において、大学病院から離れた地域で在宅療養する患者であっても、オンラインを用いた対話を通じて専門的知識を持つ医師や看護師から疾病・治療・看護に関する充分な説明を受けられるようにすることが重要です。

また医療MaaS(Mobility as a Service)と呼ばれる医療機器と通信機器を装備した車両を用いて患者の居宅近傍まで赴く医療も計画しています。これは患者の体調変化について通信機器を介する医師との相談に加え、バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数、経皮的酸素飽和度、意識状態)の評価や簡易血液検査(生化学検査、血糖など)、尿検査、超音波検査などを可能にし、必要ならば近隣の病院へ紹介する等の行動決定につなげることができ、患者の心理的・身体的・経済的負担が小さくなります。

研究内容としては、生体センサーを用いたバイタルサインを含む生体情報のモニタリング技術、人工知能を応用して日常の健康状態の変動および異常を把握し早期アラートや治療法を提供する技術、近隣病院との連携を可能にする医療情報の「見える化」技術の開発等になる見込みです。この分野に精通した人材が参画してこの新しい医療モデルの構築に邁進して行きます。

秋田大学研究シーズについて

地域社会の発展に貢献していくため 本学の研究紹介及び研究会紹介をPDFファイルで紹介しております。

医学部医学科の情報公開について

企業の皆様に向け、共に連携していけるよう、医学部医学科が取り組む様々な教育・研究などの取り組みを公開しています。