お知らせ
2024年05月28日(火)
衛生学・公衆衛生学講座 鄭 松伊 助教が著者となる学術論文が国際誌『Sleep Medicine』に掲載されました。
論文タイトル
Effectiveness of mobile applications in improving insomnia symptoms among adults from multi-community : A systematic review and meta-analysis
著者名
Jung S, Takeuchi T, Kitahara M, Tsutsumi A, Nomura A
掲載誌
Sleep Medicine
研究等概要
不眠症状の対策や改善の支援として、スマートフォンやタブレットのようなモバイル端末の使用があげられます。しかし、睡眠アプリケーションに関しての客観的な評価はおこなわれておらず、女性や労働者を含む一般成人集団における睡眠アプリケーションの使用を支持するエビデンスは著しく不足しており、利用可能なアプリケーションの具体的な種類は依然として特定されていない状況です。
そこで本研究では多地域の成人における不眠症状改善について、モバイルアプリケーションの有効性をシステマティックレビューとメタアナリシスにより検証しました。
その結果、認知行動療法(CBT)に基づく3つのRCTのメタアナリシスでは、介入群はピッツバーグ睡眠質指数(PSQI)において統計的に有意な不眠症状改善を示しましたが異質性は高かった一方で、CBTに基づく2つのRCTでは不眠重症度指数(ISI)においては有意な改善は認められず異質性は低いことが分かりました。
本研究により、第一次予防として女性や労働者の睡眠管理や不眠症状を改善する方法として睡眠アプリケーションが効果的であることが示唆されました。デジタル機器は健康的な生活を支える重要な役割を果たし、スマートフォンやタブレット端末向けのモバイルアプリケーションの使用は健康管理に対する支援対策の発展に大きく影響・寄与すると考えられます。また、国内外でモバイルヘルス(mHealth)が構造化されることで、WEBによる診断・治療などにおけるモニタリングや自己管理(生活習慣・行動の改善) に大いに役立ち、また、ヘルスリテラシー向上の取り組みへの活用も期待されます。
参考URL
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1389945724002351