お知らせ

2024年08月01日(木)

秋田市立総合病院病理診断科(研究当時器官病態学講座助教)馬越 通信 先生、田中 正光 教授(分子生化学講座)、宮腰 尚久 教授(整形外科学講座)、後藤 明輝 教授(器官病態学講座)らが著者となる軟部肉腫とがん関連線維芽細胞(cancer associated fibroblasts; CAF)に関する論文が国際学術誌『Pathobiology』に公表されました。

論文タイトル

Prognostic value of CAF marker expression in the intratumoral and marginal areas of soft tissue sarcoma

著者名

Michinobu Umakoshi, Yukitsugu Kudo-Asabe, Hiroyuki Tsuchie, Zhuo Li, Kei Koyama, Ken Miyabe, Makoto Yoshida, Hiroyuki Nagasawa, Hiroshi Nanjo, Kyoji Okada, Daichi Maeda, Naohisa Miyakoshi, Masamitsu Tanaka, Akiteru Goto.

掲載誌

Pathobiology

研究等概要

馬越通信医員 秋田市立総合病院病理診断科(研究当時 器官病態学講座助教)、田中正光教授(分子生化学講座)、宮腰尚久教授(整形外科学講座)、後藤明輝教授(器官病態学講座)らが著者となる軟部肉腫とがん関連線維芽細胞(cancer associated fibroblasts; CAF)に関する論文が国際学術誌Pathobiologyに公表されました。Pathobiologyは病理学分野で重要な位置づけにある学術専門誌です。

CAFは腫瘍関連マクロファージ(tumor associated macrophages; TAM)と並び腫瘍微小環境の重要な構成要素の一つであり、多くの研究で腫瘍促進性に働く機能を有することが示されています。肺癌や大腸癌を代表とする悪性上皮性腫瘍では、癌細胞をとりまく腫瘍微小環境についての研究は盛んに行われてきましたが、軟部肉腫における腫瘍微小環境については十分な研究がなされているとはいえず、不明な部分が多いのが現状です。今回、私達は秋田大学附属病院で切除された軟部腫瘍症例の病理標本133例に対して、CAFマーカーであるfibroblast activating protein(FAP)、CD10、podoplaninの免疫染色を施行し、腫瘍内および腫瘍辺縁部の、それぞれの発現の強さと領域の割合を評価しました。その結果、腫瘍内および腫瘍辺縁部において、複数のCAFマーカー高発現群でdisease free survivalが有意に短いことを見出しました(図)。肉腫は上皮性悪性腫瘍とは異なり、病理組織形態学的にCAFやTAMとの区別が難しいことが多く、それらの評価をすることが困難です。今回の研究成果は、軟部腫瘍の腫瘍微小環境に対する研究の、基礎的な知見を担うものと考えられ、ひいては軟部腫瘍の診断、治療に寄与することが期待されます。

参考URL

https://karger.com/pat/article/doi/10.1159/000539855/910118/Prognostic-value-of-CAF-marker-expression-in-the

参考画像

秋田市立総合病院病理診断科(研究当時器官病態学講座助教)馬越 通信 先生、田中 正光 教授(分子生化学講座)、宮腰 尚久 教授(整形外科学講座)、後藤 明輝 教授(器官病態学講座)らが著者となる軟部肉腫とがん関連線維芽細胞(cancer associated fibroblasts; CAF)に関する論文が国際学術誌『Pathobiology』に公表されました。
秋田市立総合病院病理診断科(研究当時器官病態学講座助教)馬越 通信 先生、田中 正光 教授(分子生化学講座)、宮腰 尚久 教授(整形外科学講座)、後藤 明輝 教授(器官病態学講座)らが著者となる軟部肉腫とがん関連線維芽細胞(cancer associated fibroblasts; CAF)に関する論文が国際学術誌『Pathobiology』に公表されました。