お知らせ

2024年08月06日(火)

情報制御学・実験治療学講座 前田 深春 助教, 齋藤 康太 教授らの成果が学術論文が国際誌『Journal of Cell Biology』に掲載されました。

論文タイトル

Small GTPase ActIvitY ANalyzing (SAIYAN) system: a method to detect GTPase activation in living cells

著者名

Miharu Maeda, Masashi Arakawa, Yukie Komatsu, Kota Saito

掲載誌

Journal of Cell Biology

研究等概要

秋田大学(学長:南谷佳弘)大学院医学系研究科の前田深春助教、荒川将志助教、小松幸恵技術専門職員、齋藤康太教授は、生きた細胞内の低分子量Gタンパク質の活性化を蛍光で可視化する新たな方法を開発しました。
低分子量Gタンパク質は細胞内で分子スイッチとしてはたらき、細胞の増殖、分化、細胞内輸送といったさまざまな機能を制御するタンパク質です。低分子量Gタンパク質の活性化制御が破綻すると、がんや糖尿病、神経変性疾患などの重篤な疾患を引き起こすため、細胞内でのGタンパク質の活性化状態を把握することは大変重要です。しかし、これまでの方法では生きた細胞内の内在Gタンパク質の活性化状態を直接捉えることはできていませんでした。

本研究では、低分子量Gタンパク質にペプチドをゲノム編集によって導入することで、生きた細胞内での低分子量Gタンパク質の活性化を蛍光として可視化する技術を新たに開発し、SAIYAN (Small GTPase ActIvitY ANalyzing)システムと命名しました。この研究成果は日本時間8月5日23時に米国の科学雑誌 Journal of Cell Biologyにオンライン掲載されました。

今後SAIYANシステムを用いることで、さまざまな低分子量Gタンパク質の活性化を蛍光として測定できるため、低分子量Gタンパク質の制御破綻によって生じる多くの疾患の治療法開発などに役立つことが期待されます。

参考画像

情報制御学・実験治療学講座 前田 深春 助教, 齋藤 康太 教授らの成果が学術論文が国際誌『Journal of Cell Biology』に掲載されました。