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2022年04月15日(金)
医学系研究科の明石英雄助教、医学部附属病院の藤嶋明子医員が公益財団法人伊徳地域振興財団2021年度研究助成金に採択され、4月15日に研究助成金贈呈式が行われました。
本学大学院医学系研究科(形態解析学・器官構造学講座)の明石英雄助教の研究テーマ「PCRを用いた新たな癌診断方法の開発-秋田発の独自技術によりアフターコロナ時代のPCR装置の活用を目指す-」と本学医学部附属病院(産婦人科)の藤嶋明子医員の研究テーマ「秋田の女性の日常にプレコンセプションケアを-生殖可能年齢女性へ向けた情報提供からフォローアップ体制まで-」が、公益財団法人伊徳地域振興財団2021年度研究助成金(研究助成金として明石助教が100万円、藤嶋医員が50万円)に採択され、4月15日に秋田キャッスルホテルにて研究助成金贈呈式が開催されました。
贈呈式では、伊藤碩彦代表理事より助成金贈呈証、目録が贈呈され、その後、受領者の研究テーマ発表が行われました。
公益財団法人伊徳地域振興財団は、地域の産業振興、人口減少・少子高齢化の課題克服、特色のある事業育成など、地域の抱える課題を克服し、地域を元気にするような提案を全国の大学や研究機関から募集し、選考・審査の上で助成を行う活動をしており、2017年度に創設されました。
秋田県は高齢化率・がんによる死亡者数が全国一であり、また、過疎化が進む中でどのように地域医療を維持していくかが大きな課題となっています。明石助教の研究では、PCRを用いた従来の千倍以上の感度を有するヒトゲノムDNA検出法(秋田大学取得特許)をコア技術とし、本学大学院医学系研究科腎泌尿器科学講座、プレシジョン・システム・サイエンス株式会社/エヌピーエス株式会社との共同研究により、がん診断の実用化に向けた実証研究を行うとともに、秋田県立大学等とも連携して詳細な遺伝子配列解析を行い、秋田発のがん診断方法開発を目的とします。本研究の成果は、コロナ禍により医療・保健現場に整備されたPCR検査体制をがん診断に活用し、通院回数を減らして患者・地域医療現場の双方の負担軽減に繋がることが期待できます。
また、藤嶋医員の研究では、将来妊娠する可能性のあるすべての秋田県内女性を対象にプレコンセプションケア(妊娠前のヘルスケア)の情報提供を行うウェブサイトの開発及び、その普及を目的とします。本サイトの開発により閲覧者にプレコンセプションケアの周知を行うだけではなく、アンケートの集計により秋田県の女性が抱える健康課題を把握することが可能となり、国内では初めての取り組みです。さらに秋田県、秋田公立美術大学と連携し、より効果的な県内全域への普及を行います。本研究では県内女性の健康意識の向上と早期介入を通じて、不妊症の減少、周産期医療の向上、出生数の増加、将来の子どもの健康向上が期待できます。